皆さんは、ガリ版をご存知ですか?
ガリ版ワークショップが開催されたので、参加してきました。
せっかくお誘いをいただいたので、二つ返事で参加を申し出ましたが、頭の中は「ガリ版ってなに!?」でした。
ガリ版とは?
ガリ版とは、謄写版(とうしゃばん)という印刷手法の通称で、ヤスリ版と鉄筆を使って製版するときのガリガリという音から名付けられたようです。
ガリガリするからガリ版か、わかりやすい!
ヤスリ版の上に鉛筆で下書きをしたロウ原紙をのせ、鉄筆でガリガリします。
ガリ版の歴史
明治の近江商人•堀井新治郎さんが発明され各地に広まりました。明治26年シカゴで開催された万国博覧会でトーマス•エジソンが発明した「ミメオグラフ」(謄写版の原器)と出会い、そのままでは高価で実用性がないと感じ、堀井さんは研究開発や渡米の資金調達のため、家財や土地を売って簡易化の研究をされました。当初はなかなか普及しませんでしたが、軍事通信の手段として採用され、役場官公庁などから次第に需要が高まりました。
※ワークショップでいただいたテキストから、ざっくりと抜粋させていただきました。
さらに詳しくは「【発明の聖地】東近江市のガリ版伝承館でガリ版の魅力を再発見!」へどうぞ!
いざガリ版体験!
1.ロウ原紙を鉛筆で下書きを鉛筆でなぞる
ロウ原紙という透明の紙を下絵の上に固定します。
2.下書きしたペラペラのロウ原紙をガリガリする
力を入れすぎると破れてしまうので注意。力を抜きすぎてもガリガリいいません。
3.印刷をする
謄写版印刷機にロウ原紙を挟んで、下に紙を置きローラーを転がします。今回は二色刷りに挑戦したので、版を二つ用意しました。一色目は青色を選びました。
鉄筆でガリガリと傷をつけたところにインクが染み出て下の紙に写ります。
4.二色刷りに挑戦する場合
ロウ原紙で版をもう一つ用意し、二色目の赤色を刷ります。
5.完成
なかなかうまく重ならない。でもズレている方が雰囲気が良かったりして予想外の発見もありました。きっと手作業の味わいがあるからでしょうね。
ガリ版ワークショップ参加者の作品を紹介!
年賀状をかわいくアイコンで表されています。
あ、すごい!こりゃプロだ。
かすれ具合が見事にニンジン。
紙をずらして自転車を二回に分けて印刷されました。その場で生まれたナイスなアイデア。
一日でこんなにもガリ版で刷った作品が集まりました。
集中した後はリラックス
指が吊りそうになるくらい細かい作業で、集中した後はドッと疲れを感じましたが、美味しいコーヒーとお菓子をいただきました。
一気にリラックス〜。お菓子は大きい方の中身がかぼちゃで、小さい方はチョコレートが入ってました。一口でパクリ。ごちそうさまでした!美味しかったです!
ガリ版ワークショップ主催者の紹介
左からガリ版を教えていただいた寄川さん、あふみ舎の宇留野さん、美味しいコーヒーとお菓子を作っていただいた宮崎さんです。とても丁寧に教えていただき、貴重な体験をさせていただきました。ありがとうございました!
ガリ版ワークショップに参加して
ガリ版を体験をさせていただいて、これほど難しいものとは思いませんでした。(正直、余裕でできると思っていました)パソコンって便利すぎ。。。ガリ版は電気を必要としない為、災害時にも活用されたこともあり、ネパールやインドネシアでも「TOSHABAN」として使われているようです。
時代を超えて、海を越えてもう一度ガリ版の事を考える時が来たのかもしれないですね。
追記:「エジソンを超えて〜JaGra冒険の足跡」に掲載いただきました
ありがたいことにこの記事をご覧いただいた、出版社の方からお問い合わせいただき、記事を冊子に掲載いただきました。(追記:2017/12/21)
発行:一般社団法人 日本グラフィックサービス工業会
編集:サンライズ出版株式会社
4年も前の記事を使っていただき、本当にありがとうございました。