かれこれもう10年以上前の話になりますが、縁があって群馬県で仕事をしていた時期があります。
はじめて群馬県へ行った時、親切な同僚たちから、群馬へ来たら「草津温泉」へ行くと良い、「だるま弁当」や「焼きまんじゅう」を食べるといい。
「富岡製糸場」、「高崎白衣大観音」や「カッパピア(当時すでに閉園)」へ行きな。と、群馬ならではの様々な観光名所・名物を教えてくれました。
その中には、「上毛(じょうもう)カルタ」と言う名前の“郷土愛100%”のご当地カルタがありました。
上毛カルタの“上毛(じょうもう)”とは群馬県の古い呼び方で、カルタを楽しみながら県の歴史や人物、自然などを学べるものでした。
県民は子どものころから学校や子ども会などで覚えるようで、競技大会まであると言います。
群馬県民なら誰もが知っている上毛カルタは、滋賀県出身の私にとっては、まったくもって“未知なるカルタ”でした。
日夜仕事のストレスの中、夜21時を過ぎるとようやく心が解放された群馬県出身の上司が「つる舞う形の群馬県〜!」と突如叫び出しても、滋賀県出身の私には、ただの奇声にしか聞こえず、ふざけた上司だとしか思えませんでした。
ちなみに「つる舞う形の群馬県〜!」とは、“上毛カルタの読み札”のことで、群馬県の形が「鶴が両翼を広げて舞う姿に見える」ことから詠まれていることだと追々知りました。
「なるほど!確かに群馬県の形って鶴のように見える!」と群馬県のことを1つ知った矢先、このような県民しか知らないマニアックで鎖国的なカルチャーがあることが、うらやましい気持ちと滋賀県民一人の疎外感の両方を感じ、一瞬で“ジェラシーが走った”ことを覚えています。
郷土愛は他県にも負けない長浜のカルタたち
とても前置きが長くなりましたが、ならば群馬県と同様に滋賀県ならではの、ご当地カルタがあるのではないでしょうか。
滋賀県には“カルタの聖地”とも言われる近江神宮(滋賀県大津市)があります。まずは滋賀県長浜市の地域で作られたカルタがないか探してみました。
長浜ふるさとかるた
「長浜ふるさとかるた」は、滋賀県長浜市の歴史や文化、名所を題材にしたご当地カルタです。
歴史、名所だけにとどまらず、郷土料理や方言までピックアップして作られているので、このカルタで遊ぶだけで、長浜のことを知ることができました。
今回見つけた郷土カルタの中では、長浜のことを幅広く題材にして作られているので、最もポピュラーなカルタと言えます。
難易度:★★★☆☆
国友歴史かるた
滋賀県内、長浜市内どころか町内のカルタがありました。
滋賀県長浜市の国友(くにとも)町に伝わる歴史や文化をテーマにしたご当地カルタです。
このカルタの特徴は、国友町の歴史的背景に深く関わる鉄砲鍛冶や戦国時代の文化、東洋のエジソンと言われる国友一貫斎(いっかんさい)や、茶道家の辻宗範(そうはん)といった偉人など、地域特有の題材を取り入れている点です。
郷土の範囲を県→市→町と、絞り込めば絞り込むほど、個性的で尖ったカルタになって面白いことがわかります。
難易度:★★★★☆
小谷ふるさと自慢カルタ
小谷城址など、地元の名所や歴史、伝統文化を題材にされているご当地カルタです。
小谷城のお膝元だけあって内容がかなり特化されており、とにかく戦国大名・浅井長政公への愛を感じられます。
読み札に書かれている事柄が、とても細かいので、歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」が好きな大人でも知らないことが多く、絵札から予測するのは難易度が高かったです。
子どもにとっては、絵札のかっこよさはかなり重要な要素で、城や鎧兜が描かれた絵札には飛びつくほど、我が家では一番人気のカルタでした。
このカルタを子どもの頃に覚えたら、ふるさとへの愛着と誇りを持てて、将来は間違いなく歴史自慢をすることができます。
難易度:★★★★☆
長浜市環境カルタ
環境カルタは、長浜市に特化したカルタではありませんが、滋賀県の自然・環境をテーマに作られたカルタです。
特に絵札については、小学生が色えんぴつやクレヨンを使った手書きのイラストでどれも個性的で、読み札の内容を上手く表現されています。
カルタのサイズも今回の中では一番大きいので、とても文字が読みやすく子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまで一緒に楽しめました。
難易度:★★☆☆☆
ご当地カルタは地域の文化や風習を知るきっかけづくりに!
子どもとご当地カルタで遊んだことで気づいたことは、どのカルタも楽しみながら地域の歴史や文化の発見につながっていると感心してしまいました。
子どもたちにとっては、カルタを通じて地域の名所や人物を覚え、地域への愛着が深まり、また大人にとっても、カルタを楽しむことで童心にかえり、郷土に対する新たな発見になります。
子どもを前に、ひとつひとつカルタの読み札をみながら、「へぇ〜そうなんや!」と学び、結果“ふるさとに何もないは、何も知らないと言っているのと同じ”ことだなと気づくことになりました。
ご当地カルタを手に取って、遊んでみてください。きっと長年住んでいる人でも知らないことが含まれていますよ。
まだまだ探します。長浜のご当地カルタ情報を待つ!