
何年か前に、一度だけ体験したガリ版印刷が忘れられません。
ガリガリと削る音で親しまれたガリ版は明治27年(1894)に、堀井新治郎親子によって発明された印刷機です。正しくは謄写版(とうしゃばん)と言います。謄写版は、今から“100年以上前のプリンターが無い時代に、簡単で便利な印刷機”として多くの人に使われました。
滋賀県内に、堀井新治郎親子が住まれていた家、まさにガリ版発祥の地があることを聞いたので、今回は長浜を飛び出して行ってきました。
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住宅街に突如あらわれるエメラルドグリーンの洋館

東近江市蒲生岡本町にやってきました。到着して早々目に飛び込むのは、この爽やかすぎるエメラルドグリーンの洋館。
こちらが“ガリ版伝承館”です。まわりの建物と比べひときわ目立っていて、まるで映画の世界に出てきそうな建物ですね。

同じ敷地内の裏手に回ると、歴史深い日本式の建物がありました。こちらが主屋のようですが、洋館とのギャップが面白いですね。2つの建物は中の渡り廊下で繋がっているようです。
それでは中へ入ってみよう。

玄関口を入ると迎えてくれるのが、こちらの看板です。思わずかっこえぇ〜と声が出てしまいました。

奥へ進むと、堀井新次郎親子の年表や当時の写真が展示されていたり、ガリ版の解説ビデオが流れているので、ストーブにあたりながら食い入るようにみてしまった。

渡り廊下をたどり、洋館へ行ってみましょう。2階へ上がると展示コーナーが。

これが一番最初に作られたガリ版(謄写版)と原紙ものすごくシンプルですね。

エジソンが開発したミメオグラフも展示されていたり、他にもたくさんの印刷機が展示されています。
ガリ版に挑戦!上手に印刷できるかな!?
ガリ版伝承館を見学させてもらった後は、いよいよガリ版体験に挑戦です。

今回は下絵を用意しました。絵心ある人は鉛筆で手がきで大丈夫。

まずは下絵の上に謄写版原紙をおいたら下絵をなぞります。
なぞり終えたら、次にヤスリ版の上に謄写版原紙をのせて、四隅にマスキングテープを貼って固定します。

下書きを鉄筆(てっぴつ)でなぞる。ガリガリガリガリ・・・
この時のガリガリする音からガリ版と言われるようになったようです。

いよいよ印刷に取り掛かります。謄写版を使ってハガキと原紙が重なるように配置します。

インクをむらなく伸ばしローラーにつけたら、この上からローラーを転がします。

ローラーをゴロゴロ繰り返すとインクがにじむので一気に刷りましょう。真剣勝負

よくインクを乾かしたら、
完成です!
1枚ずつ印刷する手間はありますが、それぞれ微妙にインクの付き方が違うので、デジタルにはない手書きならではの良さがあり、出来栄えを確認するたびに味わいを感じます。
作業中は一心不乱でガリガリ描き、気がつけば子供のころに遊んだプリントゴッコを思い出すほど童心にかえっていました。Myガリ版があったら家でクリスマスカードや年賀状が作れますね。欲しい・・・。
ガリ版初心者でも大丈夫!楽しく作ることができました。ものすごく丁寧に教えていただけるので、ガリ版伝承館へ訪れた際はぜひ体験してみてください。
謄写版発祥の地・東近江市「ガリ版伝承館」

住所 | 滋賀県東近江市蒲生岡本町663番地 <GoogleMapはこちら> |
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電話 | ガリ版伝承館(土日のみの連絡先) / IP電話0505-802-2530 近江商人博物館(火曜日~金曜日の連絡先) / 0748-48-7101 |
開館時間 | 10:00〜16:30(入館は16:00まで) |
開館日 | 土日のみ(ただし年末年始は休館) ガリ版体験は事前予約が必要です。電話で予約してから行かれることをオススメします。 |
入館料 | 無料 |
電車をご利用の場合 | JR近江八幡駅下車、南口から近江鉄道バス日八線「ガリ版伝承館」バス停下車 |
お車でお越しの場合 |
・国道8号線 / 六枚橋交差点よりおよそ20分 ・名神高速道路 / 蒲生スマートインターチェンジから国道477号線をおよそ12分(インターチェンジを降りたところに看板があります。) |
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